近年、AI（人工知能） と RPA（ロボティック・プロセス・オートメーション） の発展により、経理業務の在り方が劇的に変わりつつあります。これまで手作業で処理されていた請求書の入力や仕訳、経費精算、決算業務などが、AIとRPAを活用することで自動化され、業務の効率化と正確性の向上が実現しています。しかし、それだけでは全てのニーズに対応できない場面もあります。
そこで、本記事では、AIとRPAが経理業務に与える影響や最新トレンドと、経理代行サービスの賢い使い分け方法について解説します。
AIとRPAで経理業務が変わる理由
1. AIの活用でデータ処理がスピーディーに
AIは、経理業務の中でも特にデータの自動処理に強力なツールです。仕訳や請求書の処理、経費精算の自動化などが可能となります。その結果、手作業でのミスや時間が大幅に削減されます。これにより、経理担当者はもっと戦略的な業務に集中することができるようになります。
実際の活用例：
・ AIによる仕訳入力の自動化:
これまで手動で行っていた仕訳をAIが自動で入力します。、月次処理や年次決算のスピードを大幅に向上させます。
・ 請求書の自動読み取り:
AIは請求書に記載された情報を正確に読み取り、データベースに転記します。これにより、請求書処理の時間が大幅に短縮されます。
2. RPAで定型業務の自動化
RPAは、反復的な定型業務を自動化するためのツールです。経理業務において、銀行振込や月次決算、給与計算など、毎月行う必要がある定型作業をRPAが代わりに行います。これにより、人的リソースが省かれ、ミスのリスクも軽減できます。
RPAを導入することで得られる効果：
・ 定型業務の効率化:
経理の領収書や請求書のデータ入力をRPAが自動で行います。それにより、毎月発生する経理作業を数分で完了させる事ができます。
・ 業務の正確性向上:
人的ミスがなくなり、データの整合性を保ちながら業務を進めることができます。
最新トレンド：経理業務のデジタル化が加速
1. AI-OCRによる書類処理の自動化
請求書や領収書などの紙ベースの書類を、AI-OCR（光学文字認識技術）を活用してデジタルデータ化することで、入力作業の負担を大幅に削減できます。特に、手書きの書類でも高精度で読み取れる技術が進化しており、多くの企業が導入を進めています。
2. クラウド会計ソフトとRPAの連携
「freee」や「マネーフォワード クラウド」などのクラウド会計ソフトとRPAを組み合わせることで、仕訳入力や経費精算の自動化が可能になります。これにより、経理担当者の手作業が減り、リアルタイムでの財務状況の可視化が進んでいます。
3. AIによる経費精算の自動承認
AIを活用した経費精算システムでは、過去のデータを学習し、不正な申請を自動で検知したり、承認作業を自動化したりできます。これにより、申請・承認のスピードが向上し、不正経費の防止にもつながります。
4. AIによる財務分析と予測
AIを活用した財務分析ツールを導入することで、キャッシュフローの予測やコスト削減の提案が可能になります。特に、経営判断に必要なデータをリアルタイムで提供できるため、企業の意思決定スピードが向上します。
課題：AIとRPAだけでは足りない理由
AIやRPAは非常に強力ですが、経理業務には柔軟な対応や専門的な知識が必要な部分もあります。
これらの技術は大量のデータ処理や定型業務の自動化に優れており、業務のスピードと正確性を飛躍的に向上させることができます。しかし、AIやRPAだけに頼ることには限界があります。場合によっては、リスクを伴う事もあります。特に、経理業務のすべてをAIやRPAに任せるのは危険です。
AIとRPAの限界
AIやRPAは「ルールベース」での処理が得意であり、決められたパターンに基づいた業務の自動化を実現します。しかし、以下のような業務には対応が難しい側面があります。
コミュニケーションが必要な業務
クライアントや取引先との交渉、監査対応等、専門的な知識や経験をもとにした対応が求められます。AIはデータ分析を得意とするテクノロジーです。そのため、相手の意図をくみ取る高度なコミュニケーションには対応しきれません。
税務申告や法的アドバイス
税務や法務関連の業務は、頻繁に法改正が行われるため、AIやRPAのシステムにその都度アップデートが必要になります。また、企業ごとに異なる状況を考慮した適切な判断が求められるため、専門家の判断なしではリスクを伴う可能性があります。
企業固有の経理フローへの適応
企業ごとに異なる会計基準や内部統制のルールが存在し、標準化されたAIやRPAでは対応が難しいことがあります。例えば、社内独自の承認プロセスや特殊な会計処理を要する場合。それらを完全に自動化するのは困難です。
例外処理やイレギュラー対応
経理業務には、不規則な取引やイレギュラーな経費精算など例外的なケースが発生することがあります。AIやRPAは過去のデータをもとに学習するため、想定外のケースに適切に対応できない場合があります。
経理代行サービスの導入
ここで注目したいのが 経理代行サービス です。経理代行サービスは経理の専門家が、企業ごとにサポートを提供するサービスです。そのため、企業固有のニーズに合わせた柔軟なサポートが提供できます。
経理代行サービスを活用する理由：
専門知識を活かした柔軟な対応
税理士や会計士などの専門家が関与。その事で、法改正や企業独自のルールに適応しながら、正確な処理が可能になります。
イレギュラー対応の迅速化
AIやRPAが対応できない例外処理も、人間の判断を介しスムーズに処理できます。
業務の最適化とアドバイス
もちろん、単なる経理業務の代行だけではありません。経理業務プロセスの改善やコスト削減につながる提案を受けるられます。
監査・税務対応のサポート
監査法人や税務署とのやり取りをスムーズに進めるための支援もあります。それにより、企業の信頼性向上につながります。
DEPARTMENTの経理代行サービスの特徴と選ばれる理由とは
まとめ：経理業務の効率化をAI、RPA、経理代行で実現！
AIやRPAは「効率化」に優れており、定型業務の自動化には適しています。一方で、経理代行サービスは「柔軟性」に強みがあります。専門知識を要する業務や例外処理に最適です。
そのため、企業としては、AIやRPAを活用しながらも、必要な部分では経理代行サービス等を併用し、業務の精度と効率化を両立させることが重要です。
最新のテクノロジーと専門知識が融合し、適切に使い分けることで、コスト削減とリスク回避を同時に実現することが可能です。その結果、より強固な経理体制を構築することができるでしょう。
